CFDとはどんな取引?

CFDは、株、株価指数、コモディティ、債権、ETFなど、幅広い資産を対象とした上級投資家のための金融インストゥルメントです。

CFDはレバレッジを活用することで、実物取引と比較して資金の効率を上げて取引が行えます。また、取引を開始する際に、買い方向・売り方向のどちらからでも可能で、上昇トレンド、下降トレンドのどちらでも収益を追求することができます。

この記事では、CFD取引の具体的な仕組みや、実物取引との違い、そしてCFDが特に効果的となるシチュエーションについても触れていきます。

CFD取引の要点

CFD取引とは、買いと売りの価格差から生じる損益を交換する形式の取引を指します。これは「差金決済」として知られています。CFDでは、直接的な資産を所有することなく、取引のための担保として「証拠金」と称される取引金額の一部を口座にデポジットして動きます。この取引スタイルは「証拠金取引」と称されます。

CFDを用いると、預けた証拠金の数倍から数十倍の規模で取引を展開することが可能です。これを「レバレッジ」と呼び、市場の動きが予想した方向へ進めば、少額の投資で大きな収益を得るチャンスがあります。しかしながら、これはリスクも同等に増大することを意味します。

為替取引(FX)もCFDのカテゴリーに属する一つの商品として認識されます。

しかし、市場が予想と逆の動きをした場合、レバレッジの影響でポジションの価値が証拠金を下回るリスクが出てくるため、追加で資金を供給する必要が生じます。これが不可能な場合、突如として強制的に取引を終了されることも。その結果、予想していなかったポイントでの取引終了を受け入れざるを得なくなります。このため、保証金の維持率を常に監視し、リスク管理を徹底することが不可欠です。

CFD取引の収益とリスクの理解

CFD取引と現物取引では、価格変動に伴う損益の発生メカニズムは基本的に同じです。しかしながら、CFDにおいては、実際に資産を所有するわけではありません。

買い取引を持っている場合、価格の上昇は利益となりますが、価格の下降は損失となります。逆に、売り取引を持つ場合、価格の上昇は損失、価格の下降は利益となります。

例として、日経平均株価のCFDは、日経平均の動きを反映して動きます。また、NY原油のCFDは、NY原油の価格変動に応じて動きます。これらの先物取引やオプション、スワップなどのデリバティブ取引において取引の対象となる資産を「ベースアセット」と称します。CFD取引は、このベースアセットの価格に連動して、価格の変動分だけを交換する投資手段となります。

CFD取引は、現物取引や先物取引と比べて独自の特徴やメリット、デメリットがあります。以下に主な点をまとめてみました。

  1. 多様な資産クラス: 株式だけでなく、商品や指数、ETFなど、さまざまな資産クラスを取引することが可能です。
  2. 少額からの取引: 実物の資産を保有しないため、少額からでも取引を開始することができます。これはレバレッジという概念を用いることで、少ない証拠金で大きな取引を実現しています。
  3. 売りから取引: 市場の下落を予想して利益を得るために売りから取引を開始することが可能です。
  4. 長い取引時間: 多くのCFD銘柄はほぼ24時間取引が可能であり、利益獲得のチャンスが増加します。
  5. 取引単位の柔軟性: 株式CFDでは、1株からの取引が可能であり、現物取引とは異なる取引単位の柔軟性を持ちます。
  6. リスク: レバレッジを用いることで利益が拡大する可能性がある一方で、損失のリスクも同様に拡大する可能性があります。
  7. 株主優待: CFDでは株主優待を受け取ることはできませんが、配当金相当額は付与されます。

総じて、CFD取引は短期間での利益を追求するトレーダーに適していますが、リスクも大きいため、取引を開始する前にしっかりとしたリスク管理や資金管理の知識を持つことが重要です。

CFD取引の活用例

CFD(差金決済取引)は、その特性上、さまざまな方法での活用が可能です。以下は、CFD取引の活用例として挙げられた点の概要とポイントをまとめたものです。

1.経済回復期など長期安定相場時

・株式相場が長期的に安定的に成長する時期に「買い」ポジションから入ることで、利益のチャンスが増える。

・押し目買いが有効。

・レバレッジを活用して取引量を増やすことで、より大きなリターンを目指すことができるが、リスクも伴う。

2.相場全体が下落している時(例: コロナショック)

・株式相場が下落する局面で、「売り」から入ることで利益を狙う。

・戻り売りが有効。

・VIX指数のような指数と相性が良い。ただし、急激な動きがあるため、リスク管理が必要。

3.両建てでリスクヘッジ

・CFDを使用して、他の投資のリスクをヘッジすることができる。

・株価が下落するリスクを考慮し、CFDを使ってその銘柄を売り持ちすることで、リスクを相殺できる。

注意点

・CFDは元本保証の商品ではない。

・証拠金取引であるため、市場が予測と逆の動きをした場合、損失が大きくなる可能性がある。

・CFD取引の特性やデメリットをしっかり理解し、リスク管理を行いながら取引を行うことが重要。

総じて、CFD取引は様々な市場状況や投資戦略に応じて利用することができる金融商品ですが、その特性上、リスクも伴います。したがって、しっかりとした知識と経験、そしてリスク管理の意識が必要です。

CFDを提供する主要な企業

再度、CFDの取引で注目されている企業を紹介いたします。これらの企業は、テクニカル分析などの機能が豊富で、安定したシステムにより多くの投資家から支持されています。

ヒロセ通商は、業界内で非常に狭いスプレッドを提供していることで知られています。

サクソバンク証券は、米国株取引においても非常に有名で、多種多様な銘柄の取扱いがあります。

楽天証券もCFDの取扱いがあり、信頼されています。

そして、近年注目を集めているのがIG証券で、急成長を遂げています。

暗号通貨のCFD取引

変動が激しい仮想通貨や暗号通貨の世界でも、CFD取引が存在します。主な提供者を以下に示します。

トレイダーズ証券やライトFXコインが該当します。

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