知っておくべきローソク足の見方と使い方

ローソク足という用語の解説

ローソク足は、相場の特定の期間内での4つの価格(オープン価格、最高価格、最低価格、クローズ価格)を1本のバーで表現したものです。
このローソク足を並べることにより、市場の動向やトレンドが直感的に理解できます。

例えば、1時間足のローソク足では、その1時間の間の開始価格、最高価格、最低価格、終了価格を描写します。そして、価格が上昇したか、または下落したかに応じて、ローソク足の色を変えるのが標準的な方法です。

ローソク足は、株取引の分析で中心的な役割を果たし、その視覚的な特性からチャート解析の際に大変有効です。

しかし、正しいローソク足の解読方法を把握していなければ、分析に誤りを犯す可能性もありますので、注意が必要です。

「ローソク足とは何なの?」
「ローソク足のどの部分を注視すれば、市場のサインが見えるの?」
このような疑問をお持ちの方のために、本稿ではローソク足に関する基本的な知識を紹介いたします。

全文を通じて読むことで、ローソク足の正しい読み取り方を身につけ、効果的なチャート分析が行えるようになることでしょう。

何が「ローソク足」というのか?
ローソク足は、特定の期間内の株価の変動を描写するツールで、その形状がローソクに似ていることからこの名前が付けられました。

「ローソク足チャート」とは、これらローソク足を一連として並べたものを指し、チャートを解析することで、過去の価格の動きだけでなく、将来の動きの予測も可能となります。

視覚的に明瞭で、短期から長期までの価格の動きを示せるため、株価分析の際には必要不可欠なツールとされています。

ただ、ローソク足のみで市場の動きを判別するのは稀で、多くの場合は移動平均線や他のテクニカル分析の手法と併用されることが一般的です。ここは重要なポイントとして覚えておきましょう。

ローソク足には、時間のスケールに応じて様々なものがあります。

  • 短期間向けのローソク足: 1分足、10分足、30分足 など
  • 長期間向けのローソク足: 日足、週足、月足 など

1分足は、1分間の価格動きを示し、日足は1日、週足は1週間、月足は1ヶ月の価格動きをそれぞれ表示します。

また、短期のローソク足を組み合わせることで、長期のローソク足と同様の意味を持たせることができます。例として、5分足を2つ組み合わせれば10分足の情報を得ることができ、1時間ごとの短期の動きを1日分まとめれば日足と同じ意味合いになります。そのため、選択する期間によって、ローソク足の形状や情報の深さが変わってきます。

補足:ローソク足、実は日本発祥!?

驚くかもしれませんが、ローソク足は日本の発明です。
複数の説が存在しますが、多くの人々が、江戸時代の著名な相場師、本間宗久がこの手法を考案したと信じています。

ローソク足の導入をきっかけに、日本では早い段階から、すなわち江戸時代からテクニカル分析が実施されてきました。

その影響力から、本間宗久はテクニカル分析の歴史において、チャールズ・ダウと肩を並べるほどの偉大な先駆者と評価されています。

情報的にもシンプルでありながら詳細なローソク足は、株市場だけでなく、FXや先物市場でも採用されています。

さらに、世界的には「キャンドルチャート」として広く知られ、現在、世界各地で利用されるようになっています。

ローソク足の読み解き方
初心者向けに、ローソク足の基礎的な読み方を以下で説明します。

・実体とヒゲ
・最高値、最低値、オープン価格、クローズ価格
・陽線と陰線
これらの基本をすでに理解していて、具体的な分析手法を学びたい方は、「ローソク足の活用法: 単独での市場判断」へと進んでください。

ローソク足の読み方①実体とヒゲ

ローソク足は主に以下の2部分で成り立っています。

・実体
オープン価格とクローズ価格の間の領域。通常、価格が上昇した時は白や赤、下降した場合は黒や青で示される。

・ヒゲ
オープン価格やクローズ価格を超えた価格変動を示す部分。「上ヒゲ」と「下ヒゲ」として認識される。

ヒゲと実体のサイズから、市場の状態を直感的に理解することがローソク足の魅力です。

・長い実体と短いヒゲ:
強い買い圧力または売り圧力が存在したことを示唆する。

・長い上ヒゲ:
買い圧力が一時的に存在したが、後に売りが強まったことを示す。

・長い下ヒゲ:
売り圧力が一時的に存在したが、後に買いが強まったことを示す。

ローソク足の読み方②最高値、最低値、オープン価格、クローズ価格

ローソク足には4つの価格情報が反映されます。

・最高値
特定期間中の最も高い取引価格。

・最低値
特定期間中の最も低い取引価格。

・オープン価格
その期間の最初の取引価格。価格上昇の場合、実体の下端。下降の場合、実体の上端。

・クローズ価格
その期間の最後の取引価格。価格上昇の場合、実体の上端。下降の場合、実体の下端。

ヒゲがない場合、価格の変動がなかったことを示します。

ローソク足の読み方③陽線と陰線

陽線
特定期間中に価格が上昇したことを示す。通常、白または赤で表示される。

陰線
特定期間中に価格が下降したことを示す。通常、黒または青で表示される。

ローソク足の期間は1分、1時間、1日など、自由に選べます。多くの取引プラットフォームでは、陽線や陰線の色をカスタマイズして好みに合わせることが可能です。

ローソク足を活用した相場解析:1本からの洞察
ローソク足チャートを解読するためには、各ローソク足の形状と意味を理解することが欠かせません。

一般的にローソク足を単体で使用することは少なく、複数の組み合わせて解析することが多いです。しかし、単一のローソク足でも市場の動向を把握する手がかりとなる場面が存在します。

この記事では、トレンドの変動を示す典型的な9つのローソク足を取り上げ、概要を説明します。

強い買いの兆し
・形状:長い実体と短いヒゲを持つ「大陽線」やヒゲがない「陽の丸坊主」
・意味:下降トレンド時に底部で現れたら上昇のシグナル。逆に上昇トレンドのピークで現れると下降の兆し。

下降トレンドへのシフト
・形状:短い実体と長い上ヒゲの「陽のトンカチ」または「上影陽線」
・意味:上昇トレンド中に現れると、下降トレンドへの変動を示唆。

下方向への抵抗
・形状:短い実体と長い下ヒゲの「陽のカラカサ」または「下影陽線」
・意味:下降トレンド中の底で現れると、上昇のシグナル。
以下、他のローソク足の詳細は割愛しますが、それぞれがトレンドの転換や持続を示唆する重要なサインとなります。

ローソク足の形状だけでなく、そのローソク足がどのような市場状態で現れたかも非常に重要です。例えば、上昇トレンド中や下降トレンド中にどのローソク足が現れたかによって、その意味合いは異なることがあります。

したがって、ローソク足の形だけでなく、現在のトレンドをしっかりと確認し、トレンドの転換点や継続のサインとして適切に判断しましょう。

ローソク足の配列とトレンド転換のシグナル
トレーダーの間でローソク足の配置は、トレンドの変わり目を示す信号としてよく知られています。

特定の「酒田五法」というテクニックをはじめ、いくつかのローソク足の配列を利用すると、未来の市場の動向が予測できます。これは、多くのトレーダーによって今も尊重されている方法です。

酒田五法には通常、3つ以上のローソク足が含まれますが、ここでは2つのローソク足を利用した主要なシグナルをいくつか挙げてみましょう。

主なパターン:

はらみ線・抱き線
かぶせ線
上放れタスキ・下放れタスキ

これらのシグナルを理解し、適切に取り入れることで、相場の動きに敏感になることができます。

はらみ線・抱き線
はらみ線は大きな動きの後に小さな動きが続くパターンを指し、トレンドの強さが減少していることを示唆します。
抱き線は逆のパターンで、小さな動きの後に大きな動きが続くことを示しており、特定の状況での市場の方向性の変更を示す可能性があります。
かぶせ線
かぶせ線は前のローソク足の中心を超える次のローソク足の終値を持つことで識別されます。しかし、その場所やトレンドの文脈によって解釈が変わることもあるため、注意が必要です。
上放れタスキ・下放れタスキ
これらは、市場の一時的な逆転を示す信号で、窓を持つローソク足の配列を特徴とします。出現した文脈によって上昇または下降トレンドの継続が示唆されることもあります。

星は大きなローソク足の後に小さなローソク足が出現するパターンで、市場の迷いや可能性のある転換を示しています。
これらのローソク足のパターンをマスターすることで、より有効なトレード戦略を立てることができるでしょう。

ローソク足の解析法:3本以上のパターンで相場を読む

ローソク足は相場の動きを理解する上で非常に役立つツールとされており、特に酒田五法では3本以上のローソク足の組み合わせを重視します。今回は、その中から代表的な5つのパターンを紹介します。

1.三山のパターン
三山は、上昇トレンドの後に3つの山のような下落パターンが続くことを指します。特に中央の山が最も高い場合、「三尊天井」や外国では「ヘッド・アンド・ショルダー」とも呼ばれ、大きな天井形成後の下落を示唆します。逆のパターンとしては、W型の「逆三尊」があります。

2.三川のローソク足
三川にはいくつかのバリエーションがあり、その中でも「三川明けの明星」と「三川宵の明星」が知られています。それぞれの出現パターンやその後のトレンド転換の可能性について注意が必要です。また、これらのパターンは海外で「モーニングスター」と「イブニングスター」としても知られています。

3.三空の定義
三空とは、4本連続のローソク足の中で、前の3本が一方向に進行し、最後の1本がその動きを一時的に休止するパターンを指します。ここで重要なのは、連続するローソク足が窓を開けているかどうかです。

4.三兵の特徴
三兵は、3本のローソク足が同じ方向に連続して現れるパターンを指し、陽線の場合は「赤三兵」、陰線の場合は「三羽烏」と称されます。その中でも、上ヒゲが特に長い場合の「赤三兵先詰まり」は注意が必要です。

5.三法とは?
三法は、一つの強い動きに続いて、2つの小さな動きが続くパターンを指します。このパターンからのトレンド転換や継続のサインを読むことができます。

これらのローソク足のパターンを理解し、正しく読み取ることで、より効果的なトレード戦略を構築することができます。

まとめ

ローソク足は単純な見た目に反して、深い情報を持っています。

一つのローソク足にも多くのデータが込められており、それを複数組み合わせてチャートとして表示することで、さらに有益な情報を読み取ることができます。

ローソク足チャートの解析は、トレーダーの経験に関わらず、投資活動において極めて価値があります。

その分析スキルが高まることで、投資の結果も大きく向上することでしょう。

今後の投資活動において、多様なローソク足チャートを解釈し、より正確な市場分析を目指しましょう。

おすすめの記事